記事の閲覧

SNS上で増加する低品質広告とフェイクニュースの脅威

近年、FacebookやX(旧Twitter)などの主要なソーシャルメディアプラットフォーム上で、低品質な商品や偽物、さらにはフェイクニュースを拡散する広告が増加しているとの指摘が多く寄せられている。これらの広告はユーザーの信頼を損ない、プラットフォーム全体の健全性を脅かす要因となっている。

具体的な事例として、タレントのタモリ氏とテレビ番組「徹子の部屋」を悪用したフェイクニュースがSNS上で拡散され、投資詐欺に誘導するケースが報告されている。これらの広告は有名人の名前や番組名を利用し、信頼性を装ってユーザーを欺く手口である。

このような状況を受け、Facebookを運営するMeta社は、詐欺広告に対する取り組みを強化している。具体的には、詐欺広告の分析強化と自動検出システムの改善、著名人の画像を悪用する第三者への措置の強化、広告主に対する審査の厳格化などが挙げられる。これらの対策により、2024年3月5日から6月1日までの期間に削除した日本をターゲットとする詐欺広告は約527万5,000件、広告アカウントは5,400件に上るという。

しかし、これらの取り組みにもかかわらず、低品質な広告やフェイクニュースの拡散は依然として問題となっている。特に、Meta社が第三者とのファクトチェックプログラムを廃止するとの報道があり、これによりフェイクニュースやヘイトスピーチの拡散が懸念されている。

これらの状況は、ユーザーにとって以下のようなリスクを伴う。まず、偽広告を信じて商品を購入した結果、粗悪品や商品未着などの被害に遭う可能性がある。また、フェイクニュースを信じることで、誤った情報に基づく判断を下すリスクも存在する。

ユーザーは、SNS上で表示される広告や情報に対して常に慎重な姿勢を持ち、情報の真偽を確認することが重要である。信頼できる複数の情報源を参照し、情報の正確性を確認することが求められる。また、プラットフォームの報告機能を活用し、不適切な広告を報告することで、被害の拡大を防ぐことができる。

FacebookやXなどのソーシャルメディア上での低品質な広告やフェイクニュースの拡散は、ユーザーの信頼を損なう重大な問題である。プラットフォーム側の対策強化とともに、ユーザー自身も情報の取捨選択に慎重になることで、安全なオンライン環境を維持することが求められている。

参考文献


おたくま経済新聞
日本ファクトチェックセンター (JFC)
おやこITノート